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完全に思考に乗っ取られていたみたい。
そう、
「乗っ取られていた」のだから、
自分を俯瞰して観るなどできず、
まさしく我を忘れていたのだろう、

いまは、
乗っ取られていたことに気づいているのだから、
ちゃんとハンドリングできているということだね。

そんなこんなで、
なんかヤケクソかつどんよりな数日間を過ごしていたが、
徐々に気力を取り戻せそうな感じ。

ということで、
さてさて、

子どもの頃って、
「好きなものばっかり食べちゃダメ」
って、よく言われた。

栄養の偏りとか、
健康のためとか、
まぁ、そういう理由もあるのだろうけど、
たぶんそれだけじゃなくて、

食育的見地にも鑑みて、
「いろんなものに触れなさい」

みたいな意味も、
含まれていた気がする。

偏食はよくない。
好き嫌いせず食べなさい。

たしかに、
それは一理ある。

でも最近、
これって食べ物だけの話でもないのでは、
と思ったりする。

たとえば音楽。

好きな曲だけを選んで聴ける時代になった。
サブスクを開けば、
自分の「好き」が延々と供給される。

昔みたいに、
ザ・ベストテンみたいな歌番組があったりして、
様々なジャンルの曲を聴く羽目になっていたことを思い出すが、いまや、その手の番組はあまりない。
それに、ラジオから偶然流れてきた知らない曲を、なんとなく耳にすることも減った。

もちろん便利だし、
嫌いなものを無理して聴く必要もない。
僕だって、わざわざ苦手な音楽を探してまで聴こうとは思わない。

ただ、
気づけば世界が、
自分の「好き」だけで構成されやすくなっている。

食べ物なら、
偏ると身体に出る。

でも、
感性や考え方の偏りって、
わりと自覚しにくいのかもしれない…

好きなものだけ見て、
好きな意見だけ読んで、
好きな空気の中にだけいる。

それは快適なのだけど、
同時に、世界の凹凸を少しずつ失わせていく感じもある。

とはいえ、
「だから幅広く触れましょう」
みたいな綺麗な話にしたいわけでもないのだ。

正直、
嫌なものは嫌だし、
疲れるものは疲れる。

ただ、
昔あれほど言われた
「偏食はダメ」
という言葉が、

いまはむしろ、
食べ物以外のほうに
当てはまり始めているのかもしれないな、
なんて思ったりしている。

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