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あいつは普通じゃないんだ…
って、
もっぱらそう言われている人がいる。
おそらく60歳くらいのおっさんだ、
職場の、別部署の人なのだけどね。
この職場では、かれこれ3年くらい経つかな…

まず、挨拶はしない。
頑なに目を合わせないんだ。
目を合わせれば、関わりを持つことになる機会が増えるからだろうか。
すれ違う時だって、まるでこちらが存在していないかのような振る舞いだ。
いわゆる、完全無視。

一瞬、自分が透明人間にでもなったかのような錯覚に、こちらが陥ってしまう。

もちろん、気分のいいものではない。
人は、存在を認識されないだけで、簡単に居心地が悪くなる。
挨拶の最低限の意味を作るとするならば、
礼儀というより、
「あなたはそこにいますね」
と確認し合う儀式なのかもしれない。

だから、それさえ省かれると、
こちらの側だけが宙に浮く。


こちらから挨拶しても、返されることはない。
だから僕は、顔を合わせても自分から声をかけることは今になってはもうない。
それでも、律儀に彼へ挨拶をする人もいるのだけれど、
当然のように、彼からの返事はない。
ただ、しばらく観察していると、
どうもその人、誰かを選んで無視しているわけでもないようだ。
偉い人にも、初対面の人にも、業者さんにも、
一貫して目を合わせない。

最低限、自分の業務に係わることについては会話が成立する。
でなければ職場にいる意味もないのだから…

徹底しているといえば、徹底している。

ここまでくると、失礼というより、
彼のひとつの生存戦略のようにも思えてくる。

人と関わると、余計な摩擦が生じる。
期待もされるし、説明も求められる。
時には、巻き込まれる。
それを全部回避する方法として、
最初から関係を発生させない、という選択。

なるほど、そういう見方もできるのかもしれない。

もちろん、職場としては扱いづらいだろう。
「普通にしてくれればいいのに」と言われるのも無理はない。
けれど、その“普通”というやつが、
人によっては一番難しい場合もあったりするので…

挨拶ひとつ、目線ひとつ、
それだけのことなのに、
それだけのことだからこそ、
できる人と、できない人の差が露骨に出る。

僕自身だって、
場に合わせてそれらしく振る舞っているだけで、内心いつも自然体かと言われると、
まぁ、そんなこともない。

だから、あの人を見ていると、
不器用なのか、図太いのか、
あるいは、ただ疲れているだけなのか、
判断はつかないのだけど。

ただひとつ思うのは、
ああいう人がいると、
自分がどれだけ「普通」という空気みたいなものに寄りかかっているか、
ということだ。

挨拶をする理由も、
目を合わせる理由も、
本当は誰も説明してくれないまま、
みんな何となく続けているだけなのかもしれない。

そう考えると、
あの人だけが妙に浮いているのではなく、
僕らのほうが、
空気という名の見えない約束に従いすぎているだけ、
という見方も、できなくはない。

まぁ、それでも、
朝くらいは目が合えば、
こちらも少し“普通”でいられるのだけどね。

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