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「未知との遭遇」
という言葉があるけれど、
日常を見渡せば、当たり前のように
「既知との遭遇」
が繰り返されている。

毎朝の道、いつもの店、見慣れた顔。
特別なことはとくに起きず、
驚きも発見もない。
そう思い込んでしまえば、それで済んでしまうものだ。

けれど、当たり前すぎて見過ごしているだけで、
既知のなかには、ひそかに未知が紛れ込んでいることがある。

当たり前のように、りんごが落ちる。
その光景を見て、重力を見つけた人がいた。
ニュートンの話だ。

最近知った話に、
「指にまきやすい絆創膏」
という商品があって、
それが大人気なのだそう。

じつはこれ、小学生の女の子の発案だという。
世の中に当たり前のように並んでいる絆創膏が、どうにも指には巻きにくい。
そう感じたところから、
傷口に当てるパッドを少し端に寄せてみた。
それだけで、驚くほど巻きやすくなったのだそうだ。

実際に見てみると、
「ああ、なるほど!」と素直に思うと同時に、
意外な盲点だったことに気付かされる。
説明されれば、誰にでも理解できるし、
特別な技術が使われているわけでもない。

それなのに同時に、
どうしてこれまで、誰も気づかなかったのだろうか?
そんな疑問も浮かんでくる。

きっと、
巻きにくいと感じながらも、
「そういうものだ」
と受け入れてきた人の方が圧倒的に多かったのだと思う。
僕もその中の一人だったということ。

当たり前だと思っていたものを、
一度だけ立ち止まって見直す。
それだけのことで、
既知は、意外にあっさりと形を変えてしまうことがある。

それに気づいたからといって、
日常が劇的に変わるわけでもないし、
明日からの生活が少し良くなると決まっているわけでもない。

それでも、
「ああ、そうかもしれない」と思ってしまった。

そのまま気づかなかったふりをして、
今まで通りに戻ることもできたはずなのに、
今日はなぜだか、
少しだけ引っかかりが残った。

理由は、特にないのだけど…
ただ、
既知のなかに潜んでいた未知を、
一瞬、垣間見てしまった、
それだけの話なのだろう。


記事中で触れた「指に巻きやすい絆創膏」については、参考として下記にリンクを置いておきます。

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