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子どもの頃、僕はオバケが本気で怖かった。
暗い廊下の奥から何かが出てきそうで、
トイレに行くにもビクビクしていた。
ある時、僕がばあちゃんに「オバケが怖い」と言ったら、
返ってきた言葉がこれだ。
「オバケなんかより、本当に怖いのは“キチガイ”だよ。」
あまりに即答だった。
でも、不思議とその言葉は胸のどこかにずっと残っていて、
たまに思い出しては、
「ホントにそうだ!」って改めて納得する。
大人になった今、ばあちゃんの言葉の温度もようやく少しわかる。
世の中には、説明のつかない行動や、
常識の範囲を遙かに逸脱している人がいる。
そういう予測不能さこそが人を不安にさせるのだろう。
オバケは見えないけれど、人の狂気には形がある。
そのほうが、よっほど現実的で、そして厄介だ。
とはいえ、ばあちゃんの言葉の本意は、
脅すことでも悲観させることでもない。
たぶん、「世の中には、わかりやすくない怖さもあるよ」という、
ばあちゃんなりの知恵だったのだと思う。
そんなことを考えていた折、
東京足立区で、
カーディーラー店舗から展示車を盗んで大暴走し、
歩行者をはね、さらに車を投げ出して逃走したひき逃げ犯のニュースを見た。
この事故で二人の方がお亡くなりになった。
その後、逮捕の報はあったが、
犯人情報としては「37歳の男」としか報じられなかったので、
「あぁ、そういうことか…いわゆる“キ”の線か…」と思った。
ちなみに「足立区梅島」といえば、
僕が社会人となって初就職した会社の職場があったところで、
そんなことからも特別な思いもあったりする。
ちなみに「足立区梅島」といえば、
僕が社会人となって初就職した会社の職場があったところで、
そんなことからも特別な思いもあったりする。
あらためて「怖い」と感じて、
遠い昔の、ばあちゃんとの会話を思い出したのだった。
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