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さっき、
ダイソーに行ったときの話。

買い物メモを片手に店内を物色していたとき、
大きなくしゃみが出そうになって、
口に手を当てモーションに入る。
が…
「ヘーックシ…」
と、不完全燃焼で終わってしまった。

(ん〜、不発だったな💦)
と、心の中でつぶやく僕。

すると、どこからか、
「ヘーックション!って、いきたいわな〜」
という男性の声が飛んできた。
それもけっこう大きな声だ。

(えっ?)
思わず周囲を見回す。

おそらくこの人だろう、という男性を見つけたが、
カゴを手に、ひとりでごく普通に買い物をしている。
別に僕に絡むでもなく、淡々と商品を見ている。

(いやいや、明らかに俺のことだよな? なんだよこの人…)
心の中でそうつぶやく。

でも、たまにいるんだよね、
このての、
「心の声」がダダ漏れな人。

近くにいない方がいいか。
下手すりゃトラブルになりかねない…
と思いつつ、その場を離れた。

で、広い売り場を回っているうちに、
またその男性に出くわす。

ちょうどそのとき、目を引く格好の女性が通り過ぎた。
ベレー帽をかぶっている。

「ほ〜ぉ、ベレー帽って……昭和の漫画家かよ!」

またしても、あの男性の声。
結構な音量で言うものだから、
当然、本人にも聞こえたようで、
女性は振り返り、彼を見ていた。

僕もつられてそちらを見たが、
当の本人は何事もなかったように、
ごく自然に商品を手に取っている。

(いや、よく平然としていられるな。)

実際、僕もベレー帽の女性を見たとき、
(最近あんまり見ないよなぁ)
と、心の中ではつぶやいた。
同時に、頭の中ではドラえもんに出てくる
ジャイ子の映像が浮かんでいたのだけど。

でも、それは“心の中”の話であって、
“声に出す”話ではない。

その分別が出来るからこそ、
人は他人と摩擦を起こさずに済むのだと思う。

「思ったことを何でもそのまま言う」のは、
正直なひとだとは言えるけれど、
程度問題でもあるし、またデリカシーの問題でもあり、
それもまた、考えものだ。

言いたいことを言わない、もまた一つの知恵。
声にしない優しさ、というものもある。

たぶん、あの人に悪気はないのだろう。
ただ、頭に浮かんだことが、
そのまま口からついて出てしまうクセのある人、
という話なのだけど、

でも、怖いところでもある。

誰もが言いたいのに言えずにいる本音を、代弁してくれるかのようにズバッと言ってくれるのは、
時にはありがたい存在でもある。

しかし、
口にしないことで守られている平穏や、
あえて飲み込むことで保たれている関係のほうが、
多いのではないかと思う。

思えば僕らの社会、こと日本においては、
“本音”より“空気”で動いている気がする。

“言葉にしない”という選択もまた、ちゃんとした会話のひとつなのだと思う。

今日はなんとも、
おかしな人に出会ったけれど、
「人って、こんな感じで考えてるんだ…」って、
他人の思考の状態をのぞけたような、
不思議な体験で、
ちょっと面白かったな。

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