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「なんだかな…」
この言葉、便利だ。
愚痴というほどでもなく、批判というほどでもない。
でも、心のどこかに確かに引っかかっている。
そんなときに、ちょうどいい。

たとえば、
人の不幸を面白がるテレビ番組。
いかにも「共感」している風のコメントの裏に透ける、ちょっとした嘲笑。
あるいは、明らかに片方に寄った考えを持っているくせに、中立を装ったように発言しているが、スタンスがバレバレな政治評論家。

そういう場面に出くわすと、
僕はつい口をついてつぶやいてしまう。
「なんだかな…」って。

怒るほどのことでもない。
かといって、受け流せるほど鈍感でもない。
この微妙な温度のまま、なんとも生温く気持ち悪さも残る感覚。

たぶん、「なんだかな…」の正体は、
自分の中の“まだどこかで信じたい気持ち”なのではないかと思う。
世の中そんなに損得だけで動いてほしくない、
言葉には誠実さが宿っていてほしい、
そういう願いが、まだどこかに残っている証し。

「まぁ、そういうものか」
と片づけてしまえば楽なのだけど、
それを繰り返すうちに、何か大切なものを見過ごしてしまう気もする。

だから今日もまた、
誰に聞かせるでもなく、小さくつぶやく。
「なんだかな…」って。
それは、僕なりのささやかな抵抗だ。
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