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NHKの朝ドラ「あんぱん」が最終回を迎えたことが話題になっている。
けれど僕は一話も見ていない。見る習慣もないし、それ以前にNHK自体観ないのだ。
ただ、アンパンマンの生みの親であるやなせたかし氏ご夫妻をモデルにしているらしい、ということだけは耳にしている。
だから今回はドラマの内容には触れないが、やなせさん自身の言葉に残されたエピソードについて書きたくなった。
やなせさんの業績といえば、アンパンマンはもちろんだけど、意外に知られているのが三越の包装紙に描かれた筆記体“mitsukoshi”。
あれを書いたのがやなせさんだ、というのは有名な話だろう。
デパートの顔になるデザインをさらっと手がけてしまうあたり、やっぱり只者じゃない。
でも僕が一番印象に残っているのは、そういう華やかな功績よりも、晩年に漏らした「死にたくない」というひと言だ。
そのエピソードが先日ネットニュースで紹介されていたのをみた。
2013年6月、94歳のときにやなせさんはこう語ったという。
「来年までに俺は死ぬんだよね。朝起きるたびに、少しずつ体が衰弱していくのが分かるんだよね。まだ死にたくねぇよ。面白いところへ来たのに、俺はなんで死ななくちゃいけないんだよ」
これはアニメ制作スタッフにこぼした言葉だそうだ。
おそらく、取り繕いのない本音なのだろう。
94歳にして、まだ「面白いところへ来た」という、また面白い表現で言える。
この立ち位置で語るって、、、魂的な見地で語っていることがわかるというものだ。
魂の旅という意味で。
魂の旅という意味で。
もちろん、その創作意欲の強さには、正直、ただただ驚かされる。
歳を重ねても、いや歳を重ねるほどに、挑戦や探究の熱は薄れるどころか増していたのかもしれない。
「歳なんて関係ない、本人の意欲次第」ってね、そうは言うけれど、やはり肉体の限界は否応なく迫ってくる。
だからこそ、この言葉は胸に突き刺さる。
意欲があるからこそ、なおさら「死にたくない」と言わざるを得ない。
すごいなぁ、と思う。
そして同時に、切ないなぁ、とも思う。
そんな言葉に触れるたびに、なんだか胸の奥でざわざわする。
歳を重ねること、意欲を持ち続けること、そして終わりを意識すること。
そのどれもが他人事じゃないような気がして、しばらく考え込んでしまった。
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