人間の持つ能力において、
不思議だなぁ、
そしてすごいなぁ、
と思うものがある。

それは…
“なかったことにする”
というものだ。

実際に、
見たのに、
それを見なかったことにする。
「いいか、これは幻…これは幻なんだ…」
って、
意図的にそのようにできるって、
すごい能力だよ。


僕の経験では、
とある人についての
衝撃的な事実を知ることとなったのだが、
それを知ると今後のつき合いが困難になると思ったのだ。

その事実を僕に告げた人には、
せっかく僕のためにと教えてくれたことなのにこんなことを言うのもなんなんだけど…
と前置きし、
「聞かなかったことにしたいので、もうこの話は今後僕の前では話さないでくれるとありがたい。」
と。

そして僕はほんとに聞かなかったこととした。
現実の話、なにを聞いたか忘れてしまって覚えていないのだ。😅

という具合に、
現実をなかったことにする能力、いや脳力?があるのは、
自分でも驚きだ。


あと、なんだろね…
意図的じゃないほうのバージョンもある。

超常現象を見たときなんかもそんなことあるのではないだろうか?


超常現象っていう程のことでもないのかもしれないが、僕が経験したこと。

免許をとり車を買ってまもなかった学生時代の頃のこと。
高校時代の友達Aがいきなりウチに遊びに来た。その時に買ったばかりの(中古車だったけど)車を洗車してたところだった。

「おぉ!買ったんだ!」
「ドライブがてらKん家に遊びに行こうぜ!」
ってことで、30分〜40分くらいの距離のKの家に行った。

とりあえずKの部屋で待っていてくれということで、待っていた。
しかしながら、もともと家族で出かける予定になっていたらしく…
Kは家族の予定をキャンセルして僕らと遊びたかったようだけど、交渉は失敗して結局、僕らは帰ることとなった。

まぁ、そんな経緯はどうでもいいのだが、

このKの部屋で僕ら二人が待っていたときのことだ。
外は急に黒雲が垂れ込めて一雨来そうな感じになった。
「天氣ヤバくね?」
「なっ。」
なんて話していると、

あぐらをかいて90°の位置のいた僕らの前に、
「ジッ、ジジーッ」という音とともに、
部屋の中の空中に、
稲妻が突如出現したのだ。
まばゆい閃光がおこったかと思った瞬間、
「プンッ」という音を立てて
絨毯敷きの床に落ちた。
さらに床から煙がたち上がったのだけど、
不思議と匂いもなく焦げ痕もない。
一瞬で消え去った。

僕とAはあまりのことに、
現実を受け止めきれなかったのか、
声を失った。
というか、何ともいえない沈黙、
結局、目の前の出来事に僕ら二人は一切触れることなく、
その後、今日は遊べないと告げに来たKにも何も言うことなく、
Kの家を後にした。
Aとは帰りの車の中でも不思議な稲妻の話はしなかった。

なんだろう、
暗黙の了解的に
僕らは見なかった、経験しなかったことにしたのだろうか???

そんなこともすっかり忘れていた頃、
僕、A、Kと数年後に会う機会があり、
初めてのマイカーでKの家に行った話になって、
「いまさらなんだけど、その時Kの部屋でさぁ…」
と僕が言い始めるやいなや、
Aが「あっ!あれだろ?Kの部屋で…部屋の中なのに雷が落ちた、あれ!🤣」と笑いながら言い出した。

そうなのだ!
Aも実際に見て経験していたのだ。
「そうそう!あれさぁ」
ってひとしきり盛り上がった、

それまでは、
あれは僕だけが見た幻だったんじゃないか?
なんて何度も思ったし、
自分でも半信半疑の域で、思考停止になる案件だった。


といった感じの経験だったが、
数年間は僕の現実の中ではなかったことになっていたのかも知れない。


人間のやることって
面白いなと思うと同時に、
不思議だね。



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